ベルリン語学留学感想〜人生のUrlaub(休暇)〜

ベルリン留学感想 日記


▲ベルリンの象徴、テレビ塔

こんにちは、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。私は先日(2018年1月14日)、ベルリンより帰国しました。

ベルリンでは約6ヶ月間、語学学校へ通いました。といっても授業は午前だけだったので、午後はドイツ語の復習・宿題をしたり、図書館で絵を描いたりしていました。仕事を一切していませんでしたし(そもそも語学学生ビザでは仕事ができません)、他のクラスメートのようにドイツでの就職や大学入学のための語学学習ではなかったので、相当気が楽でした。私の状態をドイツ語で表現すると、完全にUrlaub(休暇)でした。

正直なところ、単身渡独したのには現実逃避的な意味がありました。東京では仕事がハード(出勤日数が多く、長時間労働)な上、新卒一年目で母親が急死したということもあり、沈んだ気持ちをどうにかしたいという思いがありました。外国という現実逃避で、気分転換がしたかったのです。しかし現地では住民登録、銀行口座開設、ビザ取得(一番難易度が低い、語学学生ビザ)など最低限のことは自分でやらないといけません。海外はファンタジーではなく、現実であることを実感させられました。(インターネット上では海外の美しい写真と共に、ポジティブな文言ばかりが並んでいることもあるので、なんとなく海外かっこいいというイメージが自分の中で出来上がっていました)

それまで私はずっと東京で実家暮らしだったので、家族と離れての海外生活がどういうものか想像が出来ていませんでした。ベルリンではWG(ルームシェアのようなもの)だったので、6ヶ月間いろんな人と生活をしていたのですが、一緒に暮す人によって自分の生活が大きく変化することに驚きました。コミュニケーションを面倒に感じる時もありますが、日々の何気ない会話の積み重ねが大切であると気がつきました。背景が異なる人と、物理的に近い距離で生活するのには工夫が必要です。会話は「今日一日どうだった?」「今、ドイツ語はどこらへんを習っているの?」「年末はどんな予定があるの?」など、些細な話題でいいんですね。

また渡独前は、東京の友人に
「ドイツ語がペラペラになっても、日本語を忘れないでね」
と言われていましたが、実際のところ、私は半年でA2までしかドイツ語を習得できませんでした。(A2は基本的な日常会話能力に毛が生えた程度のレベルです)原因は私が怠惰であったこと、ドイツ語の文法や名詞の性別(ドイツ語の名詞には性別があります)に対しての認識が甘かったこと、相対的に語学が得意ではなかったことです。ドイツ語学習者の中には半年でペラペラになる人もいるかと思いますが、相当努力をしています。何事も甘くはないですね。しかしドイツ語ネイティブではないクラスメートたち(中国人、コロンビア人、イスラエル人)と一緒に勉強する中で、語学学習の楽しさに気がつきました。言語は道具であると同時に、人の思考形式に大きく関わっていることを発見しました。ドイツ語、英語も勉強を続けていきたいですが、現在、中国語やスペイン語も気になっています。

その他に、ベルリンでは自身の作品である『天使ちゃん』と『ベルリン留学エッセイちまちま』(オリジナルのweb漫画)を合計約100本描きました。環境が大きく変り、時間的な余裕もできて、たくさんのインプット・アウトプットが出来ました。それまでイラストの着彩はPhotoshop(デジタル)をメインでしてきましたが、渡独後は主にコピック(アナログ)で着彩をしていました。線画・ラフは今までと同様アナログなので変わらずです。これで着彩も、デジタル環境に左右されず、出来るようになりました。とても大きな収穫です。

ベルリンでは多くの人に助けられました。外国で生きていくには、母国で生きていく以上に●味方●健康●お金が大切であると思います。この6ヶ月で自分の非力さ(語学能力、スキル共に)を痛感させられましたが、今までの人生の中で最も刺激的な時間になりました。先にベルリンを去った友人が「さよならベルリン あなたが恋しい」と言っていましたが、私もそんな気持ちです。

ベルリンで出会った人々の未来が、より輝きますように。

最後に、ベルリンの好きなところをダダッと箇条書きにします。
・世界中から若い人が集まってくるから活気がある
・東と西とで、雰囲気が全く違う(東西が分断されていた歴史があるので)
・シュプレー川沿の景色、テレビ塔のある景色が魅力的
・道が広く、散歩が気持ちがいい
・図書館が広く、自習がしやすい
・店内が禁煙のため、非喫煙者には嬉しい
・無料Wi-Fiスポットが多い(地下鉄の駅など)
・加工肉、チーズ、マッシュルーム、ズッキーニ、果物が安くて美味しい
・冬はハイツングが部屋中を、ポカポカに温めてくれる
・クリスマスマーケットがたくさんある

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
Vielen Dank!

今日もモリモリ食べるっちま

▲ドイツの伝統料理と、ビール飲み比べ

▲クリスマスマーケット、入り口